Rememberの取り組みについて

株式会社Remember代表・前川航太朗のブログ。情報発信、学びや気付きのシェアなど。

「ひきこもり」や「心の病気」を本当に解決するために必要なこと

最近、「ひきこもり」や「心の病気」に関する事件が多発しています。私見ですが、こうした問題の根本解決のために必要なことを挙げてみました。

 

1 どんなに未熟な自分を表現しても受け容れてくれる人たちの繋がり(群れ)に所属して、安心感を感じること。孤独・孤立の解消。

 

2 そうした安心できる繋がりの中で、「甘えさせてくれる存在」と「厳しく指導してくれる存在」が最低でも1人ずつ。どちらかに偏らないようにバランスを取っていく。

 

3 生きる上で本当に必要なことを学ぶこと。社会がどのように動いているか。精神医療の実態。食べ物のこと。放射能のこと。身体の仕組み。経済(お金)のことなど。自分の行動がこの世界にどのような影響を与えているかを知ること。これからの世界の流れをある程度読めるようになること。

 

4 「人はなんのために生きるのか、働くのか、学ぶのか」の問いに対して、自分が納得する答えを与えてくれる存在。

 

5 自分の生き方(軸)を確立していくために必要な、ある程度の時間。なにか出来事が起きた時の捉え方や心のクセを改善していく。日々の習慣や心の状態が変化するのにもある程度の時間が必要。その成長していく姿を見守り、時に厳しく指導する大人たちの存在も不可欠。

 

要点を絞ってまとめると、1〜5に集約されると思っています。これらは当事者本人でなく、元々は社会の側の問題です。個人的には、世の中で「ひきこもり」や「心の病気」になる方が増えることの原因はほとんど同じだと思っています。ちなみに僕は「ひきこもり=心の病気」とは思っていません。原因が似ていると思っているということです

 

当事者本人にとって必要なのは、「このままではいけない」とか「心の病気を治したい」という想いです。それまでの無目的で曖昧な生き方をやめて、しっかりとした意志を持って生きる姿勢に切り替われば、ある程度の時間をかければ、多くの方は変わります。

 

うちの福祉サービスで提供しているものって、上記の1〜5に集約されると思います。おこがましいですが、そうした場所が増えていけば、少しずつですが、より良い世の中になっていくのだと思います。

 

「ひきこもり」や「心の病気」などの当事者に元々は問題があったのではなく、これまでの日本の社会環境に問題があったと思います。そして、その社会環境を作ってきたのは、大人たちです。

 

ですから、1人でも多くの大人たちが、ニュースで流れている事件を他人事として捉えるのではなく、自分もそれに関わっているのだという意識を持ち、生きる姿勢を変えていく必要があると強く感じています。

信じることが安心につながる

人は他人から教わることなく

自ら成長していく力を持っています。

 

人はたとえ病気になったとしても

自ら修復していく力を持っています。

 

それができる必要十分な環境さえ整っていれば、

人は自動的に成長したり、

修復していくことができるのです。

 

そうした環境づくりが

病気や心の不安定さを持つ方々の

支援の肝と言えるのではないでしょうか。

 

人がまず求めるものは

「安心」だと感じています。

 

今の自分がどんなに未熟であっても、

過去にたくさん失敗をしてきたとしても、

自分も否定してしまう状況であっても、

 

そんな自分ですら

丸ごと受け容れてくれる人がいれば

人は安心することができるものです。

 

そして、

「安心」できる環境づくりの根本は

相手を「信じる」ことです。

 

私たちの会社の行動指針第7条は

「信じる」ことを人間関係の基本とする、

というものです。

 

私たちは信じます。

メンバーの可能性を。

信じることが志事なのです。

 

一般的な福祉的支援の観点では、

充実したスキル訓練や

多種多様なプログラムを

重要視しがちですが、

 

私たちは、

支援に携わる側が「信じる」ことが

最も重要であると感じています。

 

メンバー(サービス利用者)が

どんな状況であっても、

どんな過去であったとしても、

信じる。

 

信じ合う人間関係がある程度

構築されることによって初めて

「安心」できる環境づくりになっていくと思うのです。

 

安心することができれば、

人は自然と主体性を持ち始め、

自分のペースで成長したり

回復していくものなのです。

「ご家族の会」の目的

私たちの施設では、

毎月1回「ご家族の会」を開催しています。

(奇数月は第3土曜日、偶数月は第3水曜日)

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ご家族の会では、

私から施設で行っている支援について

説明させていいただいたり、

 

ご家族側からできるアプローチである

「愛着の安定化」「食事の改善」

「減薬・断薬のための基礎知識」

などをお伝えしています。

 

特に「愛着の安定化」については

毎回、話をさせていただいております。

 

なぜならば、

当事者本人の心の安定のためには

ご家族からの愛着改善アプローチが必要だからです。

 

つまり、

当事者本人にとって、

ご家族が安心できる存在となることが必要なのです。

 

ご家族がきちんと愛着について理解し、

当事者本人に対する関わり方を

変えていくことによって、

本人の心が安定していきます。

 

また、当事者本人たちの

本音や訴えをありのままにお伝えします。

(もちろん、匿名ですが)

 

それを聞くことによって、

自分がよかれと思ってきた子育てや指導が

子供にとっては苦しみや否定感情を

生み出してきたことなどに気付くことができます。

 

また、愛着改善アプローチを

家庭内に取り入れてくれたことによって、

子供が親に対して心から感謝できるようになった

事例などもお伝えします。

 

それを聞いて初めて、

ご家族の皆さんは愛着の重要性や

「親が変わることで子が変わる」ことを

実感できるようになるのです。

 

ご家族が協力的であればあるほど、

当事者本人の回復は見違えるほど早くなります。

 

そして何より、

当事者本人が回復することこそ、

ご家族の皆さんが望んでいることであり、

ご家族の方たちの笑顔につながることだからです。

 

さて、本日もこれから「ご家族の会」です。

「過不足のない関わり」と「安心感」

他人と関わる上で

一番むずかしいと感じているのは、

相手への介入(関わり)の度合いだと思っています。

 

以前、徳島県にある「NPO法人自然スクールトエック」さんの

あるワークショップに参加した際に、

「過不足のない」関わりをしている様子を見てきました。

 

日々、訓練して自己研鑽しているトエックのスタッフさん達の

介入は絶妙妙技であり、素晴らしいと感心するものでした。

 

しかし、自分で実際にやってみるとなると、

この「過不足のない」関わり、介入というのが

本当に難しい。

 

ほったらかしはダメ。

かといって、過干渉もダメ。

 

やりたいことだけをやらせたら、

我欲の餌食になって、傲慢な人間になります。

 

かと言って、

本人の意欲を抑圧し続けていると、

ストレスが溜まって、いつか爆発します。

 

本当に「過不足のない」関わりは難しいのです。

 

人の教育で重要なことは、

「教えない、育てない」

ことだと感じています。

 

育てないということは、

こちらの思い通りに育てようとしない、

ということです。

 

私は1歳半の長男がいますが、

彼は誰からも教わることなく

言葉を覚え、

食べ方を覚え、

自然に、自由に育っていきます。

 

長男に対しては、

求められた時にだけ

応えるようにしています。

 

それで、健やかに育っていくのです。

 

そうか!

人は自然に自由に育っていくものなのだ!

と長男のおかげで気づかせてもらいました。

 

子育ても、スタッフ教育も同じだと思います。

自然に、自由に成長できる環境づくりが大事なのだと。

 

その環境づくりで重要なことは、

「過不足のない関わり」と「安心感」

なのだと、最近は感じているのです。

 

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安定の後に成長あり

心が不安定な状態の人に

いくら正論を伝えたり、

教育的指導を行ったとしても、

それが相手に染み入ることは

ほとんど期待できません。

 

なぜならば、

心が不安定な状態では

それを聞き入れる余裕がないためです。

 

親のみなさんは、

「働きなさい」とよく言いますが、

 そのことは本人は言われなくても

よく理解しているのです。

 

ただ、それがどうしてもできないくらい、

心に余裕がなく、苦しんでいるのです。

 

私たちはこれまでの支援を通じて、

「安定の後に成長あり」

であることを実感しています。

 

心の安定が、まず第一なのです。

心が安定すると、

自然と意欲や気力が湧いてくるものなのです。

 

実際に、

心が安定してきたメンバーたちは、

私たちが何も助言や指導をすることなく、

自発的に就職活動を行い、

巣立っていきます。

 

遠回りに見えるようでも、

就職のためのスキル訓練などよりも、

まず当事者本人の心の安定を目的とした

支援・サポートが必要なのです。

 

それが結果的には、

自立・自律のための近道なのです。

 

ですから、当事者本人にとって、

安心(心が安らかにいられる)できる

環境づくりこそが、支援の肝であるのです。

 

私たちが取り組んでいる4つの支援アプローチ

私たちの施設には、

心に起因する病気や症状をお持ちの方たち、

心身の状態が不安定な方たちが

社会復帰や就労を目指して通所されています。

 

「人が怖い」「周りの人からどう思われているか不安」

「自分が嫌い」「自信がない」「自分なんて価値がない」

「どうやって生きていけばよいのかわからない」

こういう想いを持った方たちです。

 

そうした方たちに対して、

薬物療法のような対処療法的なものではなく、

根本から症状を改善・解決していくことを

目指したアプローチを行っています。

 

私たちなりにそれを大きく分類すると、

具体的には以下の4つだと考えています。

 

これらは1つだけ行っても改善効果はあまり期待できず、

4つすべてのアプローチを行うことで回復効果が

高まっている実感があります。

 

①愛着の安定化(安全基地)

 当事者にとって、

 安心・安全である場所や人間関係を担保することが必要です。

 否定をされない、本音を言っても受け止めてもらえる、

 自分の存在を認めてもらえる、求めたときに応えてもらえる、

 そういうことの積み重ねでしか、

 当事者の心の安定・安心を築くことはできないと

 私たちは感じています。

 当事者のご両親や家族とも積極的に面談を行い、

 家庭内を当事者にとっての安心・安全な場所に

 変えていけることも同時に行います。

 

②食生活の改善

  「陰と陽」「酸とアルカリ」という観点から食生活を改善して、

 健康的なエネルギーを摂っていただくことを大切にしています。

 このため、私たちの施設では、

 旬の農産物、地元で採れた農産物を中心とした昼食を

 無償で全員に提供しています。

 レンジでチンする食品や添加物まみれの食べ物では、

 身体のバランスが陰性・酸性に偏ってしまい、

 その結果、心身が不安定になりやすいためです。

 

③運動習慣の確立

 人は運動することで、身体が温まります。

 それは、動くことでエネルギーが生まれているからです。

 自宅にひきこもっていた方たちの多くは、

 ほとんど身体を動かすことから遠ざかっています。

 運動し、大量に汗をかくことによって、

 身体に蓄積された薬の残留成分や化学薬品、添加物などが

 排出されます。

 運動習慣の確立も、回復には欠かせない要素だと考えます。

 

④減薬・断薬のサポート

 服薬している人の多くは分かっていることですが、

 薬を飲んでも、心の病が改善されることはありません。

 症状を一時的に抑えることはできますが、

 それでは問題の根本解決には至りません。

 薬はむしろ身体にとっては毒だと私たちは考えます。

 東洋医学的な観点からも、薬は「極陰」です。

 陰性のものは、身体のエネルギーを外に逃す働きをします。

 ですから、ただでさえ食生活によって陰性に偏っているのに、

 さらに薬を飲むことで、より陰性に偏ります。

 陰性に偏ると、身体全体の機能不全が起こり始め、

 無気力、無意欲、だるさ、朝起きられないなどの

 症状が発症します。

 うちの施設では、本人の希望がある場合は、

 減薬や断薬のサポートも行っています。

 実際に断薬できたメンバーたちは、

 心身の状態は明らかに改善しています。

 

以上、ざっとお伝えした内容が

私たちが行っている支援アプローチです。

少しでもこうした取り組みに興味を持たれた

当事者の方がいたらお役に立てるかもしれません。

私たちの活動について

生き方や働き方について、

悩む人や解らないという人が多いですが、

それはそうしたことについて学ぶ機会がなかったからだと思います。

 

私たちが運営する障害福祉サービス事業所「ココカラ」は、

生き方や働き方について学ぶことができる場所です。

 

人は誰もが、変わることができます。

 

本人が本気で変わりたいと思い、

適切な助言を受けながら自分を見つめ直し、

実際に新しい行動を起こすこと。

 

この繰り返しによって、

新しい自分に出逢うことができます。

私たちはそのサポートをする役割です。

 

心や感情の不安定さや落ち込み、

または自己否定感など、

精神面に起因する病気については、

本人の努力次第で治すことができます。

 

しかしそのためには、

自分と向き合い、

自分の心を磨いていくという

道のりが必要不可欠となります。

 

生きていて苦しい、

自分のことが嫌いという人は、

生き方や考え方が間違っています。

 

それは、

これまでの生活環境(家庭や学校など)の

影響が大きいと思います。

 

例を挙げるならば、

ほとんどの場合、

親が未熟だったのです。

 

子どもの意志を尊重することなく、

親の考えによって子どもを抑圧し、

コントロールし続けてきた子育てをしてきたご家庭が

非常に多いことを実感しています。

 

多くの場合、11歳頃から、

そうした抑圧による偏りや歪みが表面化してきます。

 

自己否定感情や、

感情の不安定さ、

強度のこだわり等として現れます。

そのことに親も子も気づき始めます。

 

ですが、

それを続けてきた親にも、

抑圧を受け続けてきた子にも、

もうどうすることもできないのです。

 

ですから、

私たちのようなサポーターが必要となります。

 

ココカラでは、

まず自己を解放し、

自分らしさを表現していただくことからサポートが始まります。

 

抑圧されていた分のエネルギーを

発散する必要があるためです。

 

それから、

他人との集団生活に参加していただく中で、

別に示す「人間性を高める支援」や、

自立に向けての段階別支援」を行います。

 

ココカラでは、

日々の面談やプログラム、

シェアハウスでの共同生活(希望者のみ)を通じて、

人としての成長するための環境を用意しています。

 

はっきり言って、

病気が改善されるかどうか、

働けるかどうかは、

本人の心磨き次第なのです。

 

私たちは

この心磨きをみんなで楽しく行っています。

 

楽しみながら学ぶ

ということを大切にしています。

 

なぜなら、

楽しくなければ、

どんなに良いことも続かないからです。

 

自分を変えたい、

変わりたいという気持ちがある人は、

ぜひ「ココカラ」という環境を

上手に活用していただけたらと思います。

 

楽しく学びながら、

新しい人生を歩むキッカケとなるかと思います。

 

このメッセージを見て

興味をお持ちいただいた方は、

ぜひ一度、見学に起こしいただけたらと思います。