Rememberの取り組みについて

株式会社Remember代表・前川航太朗のブログ。情報発信、学びや気付きのシェアなど。

怪我という「いただきもの」

5日前の夜に

スタッフとバドミントンをしていた時のことです。

 

プレイ中におかしな滑り方をしてしまい、

右脚のアキレス腱を痛めてしまいました。

 

断裂まではいかなかったので良かったのですが、

アキレス腱がほぼ断裂していたため、

ギブス生活となりました(5月29日修正)。

 

満足に歩くことができない状況ですので、

翌日からの予定がすべて変更となりました。

 

昨夜、なぜこの怪我を「いただけたのか」を考えていました。

以下は以前のブログからの引用です。

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

生きていく上で、様々な出来事が起こりますが、

それらの出来事には必ず真意があると

私たちは考えています。

 

自分が発している響き、意識、状態に相応しい出来事が、

相応しいタイミングで起こり続けます。

これは、この世界の法則だと思います。

 

ですから、自分の身に起きた出来事から、

自分が発している響きや意識、状態を観察し、

自分を知ることもできる訳です。

 

そして、出来事の奥に隠されている真意を読み取り、

その真意に沿うように自らを柔和に変化・改善していくことこそ、

仕事や経営の本質であり、生き方の本質ではないかと思います。

    

〜「出来事の真意を読み、柔和に変化・改善していく」〜より

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

今回の怪我から、

自分の響きや意識、状態がどのようなものであったかを

省みてみました。

 

思えば、怪我をした日の2週間前くらいから

身体と精神の不調を感じていました。

 

なんとなく身体がだるいし、

食欲などのコントロールが難しい状況でした。

 

仕事においても、

トラブルなどの対応に追われることもありました。

 

「流れ」の滞りを感じていました。

 

そのような中、怪我をしたことで、

翌日から予定の変更を余儀なくされました。

 

それまでは外の現場に自ら出ることが多く、

田んぼ作業やリフォーム作業が中心でした。

 

今、振り返れば、

スタッフに任せることが適切な仕事なのに、

自分がやりたいと思う気持ちを優先してしまっていたのです。

 

「流れ」に逆らって、

自我を優先させてしまったのでしょう。

 

そのため、外出する機会が多くなり、

スタッフやメンバーとの面談や講座、

業務改善のための会議、事務作業などに

充てる時間が少なくなっていたのです。

 

この2週間を省みて、自分なりに感じたことは、

こうした事務所内で行う仕事や、

スタッフとの話し合いを通じて改善していくことに

目を向けなければいけなかったということです。

 

それを私に知らせてくれるために、

(外の現場作業が不可能にするために)

怪我というプレゼントを「いただけた」のだと

ようやく理解することができました。

 

今、私達の組織は大きな変化の真っ最中です。

 

自分を含めた社内の人材育成の在り方について。

そして、就労支援施設としての在り方についても。

 

今は、外よりも内に目を向け、

エネルギーを注ぐ時間であったのです。

 

きっと、自分が進むべき本来の「流れ」から

逸れていたのでしょう。

 

怪我という「いただきもの」は、

「流れ」から逸れた自分を

正しく戻してくれるためのプレゼントでした。

 

でも、、、

自らが「流れ」から逸れていなければ

このような怪我も起こる必要はなかったはずです。

 

出来事を観察し、自分を観察する。

自我をコントロールしていくことで、

「流れ」に沿った生き方をしていくこと。

 

そのような生き方をすれば、

今回のような「怪我」から学習する必要もありません。

 

怪我のような痛みから学習するのではなく、

順調だからこそ「流れ」に沿っているのだと、

「流れ」を認識できる生き方を目指していきたいものです。 

その人の在り方に相応しい結果が訪れる

つい先週のことですが、

私たちの施設に約3年間通所していた

50代半ばの男性メンバーAさんが

ある官公庁での採用が決まりました。

 

私個人的には、

このことが本当に本当に嬉しかったのです。

 

約3年前、Aさんのサービス利用開始当時は、

月に2日程度しか来所できない状況からのスタートでした。

 

当時のAさんの印象は”何を聞いても「はい」と答える人”でした。

自分の意思や考えを出さないこと、抑圧することが習慣となっていました。

 

本来は「No」と言いたいのに、何でも「はい」と受け容れ続けた結果、

ストレスが過剰となり、それが症状などに現れているように思えました。

 

自分でコントロールすることが難しかったため、

それらを自己コントロールできるための支援を行ってきました。

 

通所開始して2年程経った頃からでしょうか。

気がつけば毎日通所して、

規則正しくプログラムに参加できるようになってきていました。

 

人間関係でストレスを溜め込むことが少なったようで、

本人なりに自己コントロールができるようになっているようでした。

 

Aさんは、元々、何でも"はい”と受け容れる性格ではありましたが、

きちんと自分の意思表示をできる状態となってきていました。

 

それから、元々のAさんの何でも受け容れる性格の

良い面が現れ始めました。

 

Aさんには、仕事(特にトイレ掃除など)をお願いしても、

いつも「はい、わかりました。」と言って、

淡々と仕事をしてくれていました。

 

人が嫌がるような仕事でも、

嫌な顔一つせずに何でも受け容れてくれました。

 

その姿勢が、うちの施設のメンバーの見本となっていました。

私はAさんのことをとても尊敬していました。

 

採用する立場から言わせていただくと、

何かを頼んだときに「はい、わかりました。」と、

適切に仕事をしてくれるかどうかは

とても重要なポイントだと思います。

 

もし、「いやです。やりたくありません。」と言われたら、

仕事になりませんよね。

 

Aさんのそうした姿勢を一言で言うならば、

「素直な人」と表現できると思います。

 

私が思う「素直な人」とは、

「あれがヤダ、これがヤダ」という好き嫌いが少ない人。

「こうあるべき」という、こだわりや考え方が少なく、

新たなものをスッと自分に取り入れることができる人。

 

こういう人ならば、どの企業に採用されても、

その企業に順応し、貢献できると思います。 

 

そんなAさんは就職活動を始めたものの、

長年の服薬の後遺症による症状や

年齢などの条件から不採用が続いていました。

 

それでもずっと、

Aさんは就職をあきらめずに活動を続けていました。

私たちは、その姿をずっと見守ってきました。

 

ある日、突然、

ある官公庁の部署から、Aさんにぴったりの条件で、

採用したいとの申し出をいただけたのです。

 

やっぱり神様はAさんのような人を見捨てないのだと思いました。

面談の結果、採用通知をいただけて今週から働き始めることとなりました。

 

採用初日の写真です。

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このAさんの就職までの過程から、

その人の在り方に相応しい結果が訪れるのだと思いました。

Aさんの素直な人柄が、このような結果を招いたのでしょう。

 

そして、改めて気付いたことがあります。

 

私たちが行う就労支援サービスの役割は、

素直な人間性を持つ人間を輩出し、

社会に循環させるお手伝いをすることです。

 

そのために、就職に必要な知識や経験だけでなく、

人間性を育む支援を主に行っていく重要性を、

スタッフ一同、改めて再認識させていただきました。

 

Aさん、おめでとうございます。

そして、多くの学びと気付きをありがとうございます。

出来事の真意を読み、柔和に変化・改善していく

生きていく上で、様々な出来事が起こりますが、

それらの出来事には必ず真意があると

私たちは考えています。

 

自分が発している響き、意識、状態に相応しい出来事が、

相応しいタイミングで起こり続けます。

これは、この世界の法則だと思います。

 

ですから、自分の身に起きた出来事から、

自分が発している響きや意識、状態を観察し、

自分を知ることもできる訳です。

 

そして、出来事の奥に隠されている真意を読み取り、

その真意に沿うように自らを柔和に変化・改善していくことこそ、

仕事や経営の本質であり、生き方の本質ではないかと思います。

 

私たちにとっても、4月以降、重大な変化が幾つも起こりました。

その中の一つを例に挙げたいと思います。

 

〜〜〜

平成30年度の障害福祉サービス等報酬改訂によって、

就労系サービスの報酬が、これまでとは大きく異なり、

前年度の就労実績に基づくものと変更されました。

 

結論からお伝えすると、

私たちが主として提供している「就労移行支援」サービスの

報酬額が、前年度比26%減となりました。

 

これでは、経営としては成り立ちません。

私たちもこれまでの少しの黒字経営から、一気に赤字経営に陥りました。

 

損得勘定で考えれば、

このサービスを止めて他のサービスに切り替えたりするでしょう。

 

報酬減に対して、不平不満を言ったり、いくら心配したり嘆いても、

それによって、状況が良くなることはないでしょう。

 

今、この出来事が私たちにとって必要だから起きているのだ。

そう物事を捉えることによって、違った視点に気付くことができます。

 

そして、改めて気付いた点がありました。

 

これまで、私たちはサービス利用者に対して

以下のように伝え続けていました。

 

「この場所は皆さんが就労すること、

 社会に循環していくことを目的とした、

 そのために必要な訓練を提供している一時的な場所です。

 このため、ずっと継続的に居ることのできる

 居場所としての役割は担っていません。」

 

それにも関わらず、実際の現場では、

就職するための支援を十分に提供できていたとは言えず、

逆に、ずっと継続的に居場所として利用できることを

助長するような仕組み(支援システム)が構築されていたことに

改めて気が付きました。

 

専門的に言うと、就労移行支援(訓練メイン)というよりも、

就労継続支援(工賃作業メイン)に近い形式になっていました。

 

言っていることと、やっていることの間に

矛盾が生じていたのです。

 

また実際に、あるサービス利用者(20代男性)が、

採用が決定したにも関わらず、

土壇場で断るという出来事が起こりました。

 

その時の彼の理由は、

「就職したら、ココカラを離れることになってしまう。

 別に生活に困っている訳ではない(親の援助がある)から、

 無理に就職したくはないです。」

というものでした。

 

これを聞いて、自分たちが提供しているサービスの方針が

間違っていたと確信しました。

 

なお、昨年度就職して、現在も就労定着している者は7名です。

本来は、最低でも毎年10名以上の就職者を輩出することが、

私たち、就労支援事業所の役割であると思っています。

 

現在、働けていない若者たちが、

社会に出て、世界観が広がり、自分の可能性や個性に気付いていく。

そして、あらゆる経験を通じて、人として成長していく。

 

そのために必要な、あくまで一時的な

福祉的サポートをすることが私たちの役割です。

 

今回の26%報酬減という、

経営的にはあまりにも痛すぎる改訂という出来事によって、

自分たちの提供しているサービスの矛盾に気付くキッカケをいただけました。

 

この報酬減がなければ、

経営的にも黒字でしたし、必要な改善を行うことはできなかったでしょう。

私に慢心が生じていたから、この出来事が起きたのでしょう。

 

早速、私たちは状況を改善することに努めています。

6月からは、講座系プログラムを大幅に充実させます。

そして、工賃作業メインから訓練メインに切り替えていきます。

 

これまでの卒業生のデータを分析した結果、

工賃作業ではなく、講座やスタッフとの面談を通じた訓練を

主にして通所していたことが判明しました。

 

経営的には、ギリギリですが何とかなります。

日々、新たな学びや気付きを基に、

変化と改善の繰り返しです。

 

出来事の真意を読み、柔和に変化・改善していくことを怠らず、

常に怠けや慢心に陥らないよう、

自らを正して生きていきたいと改めて思います。